OASIS News 8
オアシス・OASISニュース
1996年4月 No.8
セックスツァーは国内法で処罰を
「オアシス」代表 田ヶ谷雅夫
日本の新聞には全く報道されなかったのですが、今年の1月2日の夜、マニラ市内の繁華街マラテ地区にあるアドミラルホテルの 807号室で、45歳になる横浜から来た日本人男性が、2人の少年を相手に、午後11時半ごろ、児童姦淫を行なっている現場でフィリッピン警察により逮捕されました。
しかし、そのアベという名の日本人は、1万2千ペソ(約4万8千円)の保釈金を支払うことにより、簡単にマニラの警察から釈放されました。おそらくそのあと、「国外追放」程度のことで済むのではないかと思います。
現地の新聞(フィリッピン・インクアイラー1月5日号)の伝えるところによると、昨年秋にこの種の外国人による児童買売春の取り締まりが強化されて以来、9人の悪徳外国人が逮捕されましたが、そのうちの5人は、何と日本人だったそうです。従来日本人のフィリッピンやタイにおける買春は、相手国の成人女性がターゲットだったのですが、児童姦淫(ぺドファイルという)というおぞましい世界でも、ニホンは世界の大国並みになってきたようです。
わが国は、第2次世界大戦の時には、軍事力でフィリッピンを侵略し、今は経済力で、現地の少年少女の幼い体を蹂躙しているのかと思うと、何ともやりきれない気がします。私たちは、オアシスの理解と援助を受けて、3年前に「パグサンハン児童救援協会」を設立し、児童売買春のメッカとして知られるパグサンハン(マニラの南約100キロ)の児童救援活動に携わってきましたが、今回のこの2人の少年も、バグサンハンからマニラに連れてこられたそうです。
そして私たちは、現地のボランティアグループCPCP(パグサンハン児童保護協議会)と連絡をとり合って、この種の児童売買春を絶滅しようと活動してきたのですが、現実の事態は少しも改善されず、ユニセフの補助金が打ち切られて、CPCPは今や崩壊寸前にあります。そのテコ入れの意味もあって、この3月の末には1週間ほどフィリッピンの現地に飛んで、今後の対応を相談したり、現地の子供たちと交流するワークキャンプをしてきました。幸いオアシス関係の方も2、3含めて13人の参加申し込みがありました。
この事件のように、開発途上国の児童の心と体をむしばむ児童売買春をなくすには、どうしたらよいのでしょうか。そのひとつの方法として、外地で児童姦淫罪を犯した日本人は、その現地の法律(おそらく手ぬるい)で処罰されるのみでなく、日本に戻ってきたら日本国内の法律に照らし合わせて、厳罰に処されるよう、できないものでしょうか。早急の法改正について、検討してほしいものです。
また、このように、オアシスのこれからの活動もだんだん対外的にNGO化することも予想されます。過去4年間のオアシスの営みも、時代の変化と要請に合わせてどんどん新しい課題を掘り起こさなければなりません。皆様のバックアップ をよろしくお願いします。
オアシス活動報告
1995年12月〜1996年2月
12.14 事務局会議 於事務所
1.18 事務局会議 於事務所
1.23 日本語教室教師希望者オリエンテーション
14:00〜 於カトリック教会 19:00〜 於県ボランティアセンター
1.25 オアシスセミナー V期 第1回 「AIDS/HIVとは何か」
講師 T.E.さん 於カトリック教会
2.18 山梨県ボランティア大会参加 活動紹介
於県ボランティアセンター
2.22 事務局会議 於事務所
2.27 第4回「世界の友達交流会」にアドバイサーとして参加
2.29 第1回「日本語寄り合い教室」教師研修会
14:00〜 カトリック教会 19:00〜 県ボランティアセンター
※毎週火曜日 午後7時より 事務所にて外国人よりの相談受付
相談活動
1995年12月〜1996年2月
1.イラン人 労災事故について相談 労基署へ付添う
2.納めすぎの税金の還付について相談
3.1の継続中のもの 雇用主との交渉 病院への付添い
4.中国人 労災について
5.インドネシア人 労災について
6.フィリピン人 出産、子どもの養育について
7.タイ人 出産について
8.ペルー人 出産について
9.タイ人との結婚について
10.イラン人 賃金が契約より安い 雇主と交渉
※以上、主なものです。
相談内容は多岐に渡り、相談に来る方の国の数も多くなってきました。解決してゆく数は少なく、継続中のものも大変多くなっています。
引き続き、労基署などへ同行していただけるボランティアの方を募集しています。
新聞から
在留資格・別居だけで不許可は「違法」・東京地裁判決・タイ人妻の処分取り消す
朝日新聞・1995年10月13日
アルバイト学生が外国人登録”閲覧”・大阪・業者に撮影委託中
山日新聞・1996年1月10日
観光ビザで来日・比人母親に親権・日本での生活を前提に・宇都宮家裁
山日新聞・1995年10月18日
夫の名前訂正求め申し立て・群馬の日本人妻
山日新聞・1995年11月19日
タイ女性のRさんの心臓手術を終えて
タイ女性のRさんに初めて逢ったときは、今までと同様、細っこい女の子という印象でした。ご多分にもれず、タイ北部の出身、早婚、出産、貧困からの脱出願望。甘い手口での出国。人身売買、等お定まりのコースから、日本人男性と同居、出産しました。しかし子どもは、後に不可解な死。以前からの心臓疾患が悪化し、石和のK病院に入院しました。
病院からオアシスに通訳の要請があり、訪問したときには、心内膜炎のため、摂食も難しく、骨と皮ばかり、不安でいっぱい、睡眠もほとんど取れない状態でした。
タイ在住中から心臓疾患はあるのに無理を承知でこの道を選びとってきたらしく、生命は危ぶまれていました。心臓手術はこの病院では不可能でしたから、県立中央病院に搬送、その後は病院のワーカー、ナース、ドクター等スタッフの方の優しさに包まれ、睡眠もよくとれるようになり、手術を迎えることになりました。 石和の病院に入院したときの心内膜炎はよくなってはいましたが、その手術は大変困難な手術で、細菌性大動脈瘤2ケの除去、大動脈弁閉鎖不全症のための弁の交換、僧帽弁閉鎖不全症のための弁の交換、心室中核欠損の穴を閉じるという大手術であったそうです。スタッフ一同の心のこもった看護とドクターの手腕により、手術は成功裏に終わりました。ICUに入っている間はもちろん、入院中、オアシスのメンバーも度々訪れ彼女を勇気づけてきました。何より彼女の中に生きる意欲があったのが大きな決め手です。
今彼女は元気に働きながら、何百万とかかった手術入院費用を月々返済しています。
オアシスは活動5年目を迎えていますが、このケースは非常に経過のよいケースの一つにすぎません。賃金未払い、不当解雇、労災、教育、育児、様々な相談があります。できる限りの努力はしますが、仲々よい結果は出てくれません。労基署などへ同行するメンバーは極端に不足していますが、志を同じくする各地の組織に助けていただきながら、何かと歩みを続けてきましたので、これからも人種、国籍を超えて人間が人間らしく生きられ る世界になるように努力してゆきたいと思います。(中)
山梨外国人フォーラム報告 1995
年6
月25
日 山梨県国際交流センター
K.U.さん(峡南青年会議所 理事長)
峡南青年会議所さんは、
峡南6
町を
中心としてまちづくりや
国際貢献などいろいろな
活動をされています。
同会議所の2
月の
定例会でオアシスの
活動についてお
話をさせていただいたり、
今年度は
峡南青年会議所の
推薦により
関東地区の
平和基金制度から100
万円の
助成金をいただくことが
出来たりと、
大変お
世話になっています。
Uさんには、
日本青年会議所や
峡南青年会議所の
活動の
内容や、オアシスのメンバーが
出席した
峡南青年会議所の
勉強会などについて
話していただきました。
活動の
中では、
峡南にいても
国際協力できることがあるのではないかということで、GTS(グローバル・トレーニング・スクール)という
名目でメンバー
一人ひとりが
毎日5
円の
寄付金を
集めて、
総額1
億2
千万円位の
金額を
積み
立てて、その
資金で
現地に
行き、
現地の
人と
一緒に
汗をかき、
共にものを
作り、
分かち
合うという
活動もされているとのことです。
また、
勉強会でオアシスの
活動内容を
聞いていただいた
中で、
新聞で
知る
以上に
悲惨な
状況との
感想を
持たれ、
日本青年会議所の
関東地区委員会の
国際協力基金にオアシスを
推薦していただき、
内定の
連絡をいただいていることも
報告していただきました。
そして
最後に、「
今後も
情報交換をしていきたい、
協力できる
部分では
協力していきたい」と
心強いお
言葉をいただきました。
H.K.さん(弁護士)
オアシスでは、タイ女性の裁判をはじめ、結婚相談等でも大変お世話になっている貴重な弁護士。 K弁護士は、日本人と外国の方との結婚とそれにともなう在留資格について説明して下さいました。まず、オーバーステイで在留期間が経過していても、それぞれの国の結婚の要件を、それぞれの国の様式に即して役所へ届ければ結婚はできるが、それだけでは、在留資格は付与されない。在留資格を得るには、一度出国してまた戻るという方法が取れればよいが、まず無理なので、入管に行き、退去強制の手続きが進められる中で、在留特別許可の申請をして、法務大臣の裁量で許可をもらうという方法を取る。
その場合、入管は男女間の愛情関係が安定していてかつ経済的にも安定していることが必要と考えていること。実際には、最終的な結論が出るまで2年以上かかってしまう事例もあることをお話いただきました。 次に、在留資格がある状態で日本の方と結婚した場合は、在留資格を「日本人の配偶者等」ということで変更すればよいが、その場合、配偶者の身元保証が必要であること。また、配偶者が身元保証をしないため在留期間の更新が出来なくて、裁判を起こした外国の方もいることなどの事例を話していただきました。
また、「日本人の配偶者等」という資格が得られない場合「定住者」ということで資格を変更する形をとる方もいらっしゃることを説明していただき、最後に、個人的には、各地にある外国人に関する連絡協議会にも興味を持っておられることを付け加えられました。
T.M.さん(留学生)
イギリスからの留学生で、現在、山梨大学で社会福祉を勉強されている。また、県内でボランティア活動をされていて、様々な提言をされている。Tさんは、欧米人は、欧米人だけが集まるパブでミニ社会をつくったり、山梨大学にいる100人位の中国人留学生が寮に住んでいることを例にあげ、ゲットー化していると指摘、外国人と地元地域との交流をどうやって深めるか。あるいは、日本人の学生と仲良くなることが難しく、どうやったら深められるか悩んでいることや、日本人がなかなか話してくれなくて、話してくれるとしても挨拶くらいでいつも不満を感じている事をお話いただきました。
さらに、日本の社会の閉鎖性を感じていて、特に山梨はそういう評判があり、ご自身もそう思われるとのことで、会場の皆さんもうなずいておられました。
イラン人男性Aさん
現在、オーバーステイ。この5月に日本人女性との婚姻届を提出し、7月に結婚式を挙げられました。普段はよく喋られ、おもしろい方ということですが、この日は緊張されていたようで、話したいことがあまり話せなかったようです。
彼は、5年前に来日しました。「オーバーステイなので、法律的に弱い立場にいる。オアシスのことをまだ知らない外国人が多いので、もっと紹介してほしい」と強調されました。
また、「結婚したけれど、まだいろいろと問題がありますが、がんばります」と元気に発言されました。
T.I.さん(小学校教師)
昨年まで甲府市の新田小学校に在職、中国からの帰国者の子供たちや外国籍の子供たちの日本語教育や生活面の指導を行なっていらっしゃり、現在は都留市の東桂小に勤務し、同様のお仕事をされています。
表1 在日外国人の子供たちとは
在日朝鮮人・中国人の子どもたち
83人
(「朝鮮」は朝鮮民族全体を指す意図で用いる)
中国引き揚げ者の子どもたち
47人
就労のため来日した外国人の子ども 129人
留学生 ・研修生の子ども 14人
国際結婚した人の子ども 39人
難民の子ども 1人
※朝鮮・韓国・中国については オールドカマー・ニューカマーが分けられていません。
表2 日本語教育が必要な子どもたちの数
年月 91.7 91.12 92.2 92.5
93.4 94.5 95.4
人数 29 41 51 63
117 61 71
先生は、まず、県内での外国人の子供たちの背景別の数(表1)を説明されたあと、日本語教育が必要な子供たちの数が、91年から95年と急速に増えていることを指摘されました(表2)。
一方、山教組の調査によると在日朝鮮人・中国人の子供たちが一番多く、先の戦争を背負っている子供たちが4割近くいること、外国籍の子供たちが337名おり、このうち日本語教育が必要な子どもが111名いるとのこと。
次に、現場の様子として、山梨県には日本語を教えたり生活の面倒を見る教員が10名いて10校に加配されているが、センター校がフォローしているのは6割であること。また日本語教育が確立されておらず、指導者はいちからスタートしなければならないことをお話いただきました。
それから、一番大きな問題として、進路保障の問題をあげ、言葉や差別の問題により、子供たちのライフチャンスが狭いことを指摘されました。
また、県が国際理解教育の推進として21の小学校に英語クラブを作り英語の先生を置いていることにふれ、欧米、英語という方を向いていると現状を説明。
さらに、子供たちの悩みとして、言葉の問題が一番大きく、日常会話程度は1年ぐらいで覚えるが、授業についていけるようになるには時間がかかること。つぎに、差別の問題で、ほとんどの子どもが差別を受けていること。また、「自分は何ものなんだろう」というアイデンティティの問題。将来が不安で小学校2、3年生でも将来何やさんになりたいという夢を持っていないこと。回りの受け入れの子供たちが非常に暖かく迎えたという調査があるが、やっぱり子供たちにも偏見があることをあげられました。
今からのこととして、「侵略戦争の歴史をひきづっている子どもが4割もいることや、就労目的で来た子供たちがなぜここにいるかということを子供たちに教えていかなければ行けないと思う」と述べるとともに、「内なる国際化といわれるが、子どもたちの身近な言語は決して英語ではなく、子どもたちの母語で一番多いのは中国語、次に朝鮮・韓国語、次がスペイン・ポルトガル語であり、身近な足元を見なければいけない」と述べられ、最後に、「子供たちが堂々と胸を張って生きていけるような現場を作らなければいけないというのが課題だと思う」と力強く語られました。
イラン人男性と結婚された日本人女性
5月に市役所に、独身証明書や戸籍謄本などいろいろ書類を用意して、オアシスのメンバーといっしょにいったが、外国人登録がないと受け付けてくれないということで、その時、一緒に申請し、仮の証明書を付け加えて提出したら、その日のうちに結婚受理証明書を頂き、びっくりしたとのこと。しかし、オーバーステイということで、今からまだたくさんの書類を用意して入管に出頭しなくてはならず、その準備が大変と話されました。
また、イラン大使館へも結婚届けを出さなければならないが、性病検査が必要で、どこで検査を受けてよいかわからず苦労し、やっと受けることができたが、彼女は社会保険に加入していたので640円で済んだが、彼は自費だったので1万円ちょっとかかり、保険の必要性を感じたそうです。
最後に、「イラン人というと偏見で見てしまうこともありますが、そういう偏見の目で見ないで、みんな同じ人間なんだという気持ちでつきあっていければいいと思います。」と明るく述べられました。
会場からの質問 山梨外国人フォーラム’95
Q.なぜ自費診療は高額になるのでしょうか。
A.Fさん(医療ソーシャルワーカー、オアシス会員)
普通は診療費というのはレセプトという書面で、こういう処置を施して、こういう薬を出してということを保険機関へ毎月提出しています。それで、診療費は1点2点と数えていくのですが、最低の単位が1点10円です。例えば5万点であれば、金額的には50万。そうすると社会保険の本人であれば1割負担なので5万円を払うというかたちになっている。しかし、1点10円ということについて、高いのか低いのかという議論はずっとあり、医療機関は、1点10円は安すぎるという考えですが、いろいろな考え方があります。
現在、健康保険では、1点10円ですが、いわゆる自由診療、保険を持っていない方、使いたくない方、交通事故、これは自賠、あと労災、そういう場合は点数が違っており、労災の場合1点15円とか、交通事故の場合は1点25円とか30円とか変動がある。そういうことで各種保険を使わない方・使いたくない方には診療費は自由に設定していいことになっていて、平均すると20〜25円に設定しているところが多い。これは民間だけでなく、例えば、市立甲府病院なんかでも自由診療の場合は、1点20円くらいを設定していて、市議会でも承認されています。(県立中央病院の場合は自由診療の場合でも、1点10円)。これは決して違法ではないのですが、保険に入りたくても入れない、しかもお金持ちじゃないのに普通の人よりも多くとられてしまう、という矛盾点が明らかになってきています。これについてはこれからも論議していかなければならない非常に大きな問題点だと思います。
Q.県立中央病院は、1点10円ということでしたが、ほかの病院に関してはどうなんでしょうか?
A.Fさん
個々の医療機関にあたってみなければわかりませんが、外国人の方でお困りの方がいらっしゃったら、電話か窓口で、自由診療ですけれども1点いくらですかと確かめてあげられたらよいと思います。
Q.医療費の未払い関係のことでご存じのことがありましたらお願いします。
A.Fさん
去年新聞にも出ました、甲府共立病院でのイラン人の方のペースメーカーを埋め込む手術があり、県と交渉をしたのですが、ラチがあきませんでした。結局、本人や友人らのカンパで納めた数十万以外は、赤字として残っております。国立病院にも未払いがあり、支払い能力がないとして損金として計上されたケースもあるようです。共立、県立病院には相当の累積の赤字は出てきていると思われます。
司会 パネリストの方で補足があればお願いします。
K弁護士
医療費のことは日弁連も報告書を出しています。具体的には、あるオーバーステイのフィリピンの女性がくも膜下出血で倒れ、京都の病院に入院して、330万ぐらいかかり、病院では、居住地の市に対して生活保護に基づく医療費補助の申請を出したわけですが、厚生省は、「ダメ」ということで、日弁連に人権救済の申し出があり、それをふまえて、非定住者に対する医療の調査報告書というのをまとめており、それによりますと、東京都、千葉県、埼玉県、神奈川、群馬県では未払いの医療費に対する補てん事業をそれぞれの県でやっているようです。その辺をお願いします。
A.Fさん
ほか新潟県でもやっています。外国人医療で圧迫を受けている県で、医療機関や外国人支援団体等から県のほうに救済の特別の予算を立てろという運動をおこして、各都県で行なわれているようです。山梨ではまだのようです。
もうひとつは、救急医療制度というのがあります。救急車で運ばれて治療を受けた場合、その方が医療費の支払いが困難である場合に、山梨県の予算から出ることになっています。去年の段階で200万ぐらいの経常予算がありますが、年度での予算なので、最初の人に200万円かかれば、もうその年度の予算はなくなってしまいます。
ただし、必ず救急車で運ばれることが必要で、しかも救急医療対象は、少なくとも山梨の場合は、民間だけで、国公立の病医院は対象となりません。この制度は、各都道府県にあります。
司会
今日は大変いろいろな角度からお話を頂きました。多方面な角度から、オアシスが取り組んでいる問題について、基本的には、日本に住んでいる外国人の方々、今の日本の法律、特に入国管理法という法律の中では、弱い立場にいる人たちの人権に関するさまざまなことがこの3年間に進んできている。そして今4年目に入っている。そしてこれらの問題は決して少なくなっていないということがご理解頂けたと思います。
新聞記事から
県内 1995年10月〜1996年1月
〔'95年10月〕
■外国人の権利、親身に守る 勝訴助けたことも
オアシス 読売95.10.27
〔'95年11月〕
■帰国者招き交流 都留・東桂小 中国語教室 父母の活躍、子の励みに
山日95.11.15
■外国人の悩み事 弁護士ら受付 甲府 弁護士会館 26日
山日95.11.27
■外国人労働者22%増 県内雇用調査 9割が単純労働 山梨県職業安定課27日まとめ 山日95.11.28
〔'95年12月〕
■就労外国人が大幅増加 半数は1年以内に離職 県のまとめ 9割が中南米の日系人
朝日95.12. 5
〔'96年1月〕
■外国人向け日本語教室 人権ネット来月開設へ 23日 第1回オリエンテーション行なう 山日96. 1.25
全国 1995年10月〜1996年1月
〔'95年10月〕
■外国人登録原票の内容 本人に全面開示の方針 東京・練馬区 電算化機に決断 朝日95.10. 9
■「無補償」違憲の疑い 在日韓国人援護法訴訟 賠償請求は棄却 大阪地裁 11日
山日95.10.12
■「国籍条項、違憲の疑い」 「援護法」規定で大阪地裁が判断 補償請求は棄却 11日 朝日95.10.12
■在留資格 別居だけで不許可は「違法」 東京地裁判決 タイ人妻の処分取り消す 11日
朝日95.10.13
■被災外国人を支援 活動が育って幅広く 生活相談も「センター」へ 朝日95.10.14
■退去手続きを簡易化 法務省 入管難民法改正へ 山日95.10.15
■観光ビザで来日 比人母親に親権 日本での生活を前提に 宇都宮家裁 17日確定 朝日95.10.18
■外国人登録の電算データ 中央・荒川区も開示 本社調査 朝日95.10.23
■外国人登録原票の内容 原則は本人開示 法務省「方針は従来から、徹底を検討」 23日 朝日95.10.24
〔'95年11月〕
■外国人登録原票非開示 国に見直し要請へ 東京・中野区 「理由ない」と方針 13日
朝日95.11.15
■在日外国人の皆さんへ うちの図書館、本そろえてます
… 朝日95.11.16
■夫の名前訂正求め申立て 群馬の日本人妻 他人名義の偽造パスポートを使っていたため 山日95.11.19
■在日外国人の「戸籍」原票 本人にコピー交付へ 法務省が方針 山日95.11.22
■参政権訴えデモ 金沢で在日韓国人ら 26日 山日95.11.27
■無国籍児に日本国籍 「法解釈に例外認める」 東京高裁 29日 朝日95.11.30
〔'95年12月〕
■定住外国人の参政権を考える 「戸籍条項」の成立事情 選挙法にひそんだ偏見 山日95.12.14
■指紋押なつ制度は合憲 最高裁初判決 強制も許容限度内 15日 山日95.12.16
■指紋押捺制度は合憲 最高裁 初の判断 米国人宣教師上告を棄却 15日 朝日95.12.16
■タイ政府、「お礼ですと1000万円」 オーバーステイの女性ら救援する日本のNGOへ 朝日95.12.20
■日比混血児 父親不在でクリスマス 朝日95.12.22
■異議認め難民認定 クウェート出身パレスチ人 法務省 初の逆転 28日 朝日95.12.29
■長引く不況下でも外国人の就職微増 94年分法務省集計 28日発表 山日95.12.30
〔'96年1月〕
■外国人の請求容認 情報公開法の大枠固まる 知る権利明記は微妙 山日96. 1. 4
■アルバイト学生が外国人登録〃閲覧〃 業者に撮影を委託中 山日96. 1.10
■定住外国人の地方参政権 「容認」の国会議員やや増 在日韓国青年商工人連合会アンケート
朝日96. 1.17
■外国人登録原票 開示通達の公開請求したら 法務省、請求者名を要求 中野区拒む 朝日96.1.25
■外国人3427人強制退去に 法務省入国管理局 27日付で公表 朝日96. 1.28
■無国籍児らの実態など報告 長野でシンポ 佐久総合病院で27日 朝日96. 1.28
「
第1
回移住(
外国人)
労働者問題全国フォーラム」4
月28・29
日開催(
以下省略)
日本語寄り合い教室開校にあたって
オアシス事務局長 日本語寄り合い教室担当 H.O.
4
月14
日に
開講という
形をとった「
日本語寄り
合い
教室」は、オアシスの
新しい
活動の
形態として
注目される。
この4
年間に、
売春を
強要されていたタイ
人女性の
緊急救出やイラン
人の
労働者の
事故に
際しての
雇用主との
労災認定の
交渉など、
山梨に
住む
外国人の
抱える
様々な
問題に
対応してきたオアシスであったが、いわゆる
一般の
人がすぐに
関わるには、ちょっと
入りにくい、というのが
正直な
印象であったかもしれない。もちろん、この
中で、
入国管理法の
持つ
大きな
問題点や、
滞日外国人の
置かれている
状況を
正しく
理解してもらうための
様々な
形でのセミナーやシンポジウムを
開催し、これにはしっかりとした
手応えを
感じてきている。しかし
今のオアシスに
求められているのは、このような
活動を
継続しながらも、より「
普通の
人々」がこの
状況に
目を
向け、そこに
具体的に
関わることのできる
場をつくりだしていくことであろう。この
意味で、
数回にわたって
開催をしてきた「イラン
人との
交流会」のような
場が、
様々な
形でオープンに
展開されていくことが
期待されていると
言える。
今回スタートする「
日本語寄り
合い
教室」は、その
名称が
示す
通り、
単なる
日本語を
学ぶための
学校ではなく、
日本語を
学び、
教えながら、
抱えている
問題について
相談し、また、
自分の
住んできた
日本や
山梨が
知らず
知らずに
抱えてきた
問題点に
気づき、これをより
良く
変えていくには、どうしたら
良いかを
考える
場となることが
期待されるものである。
教える
側は、
自分の
話す「
日本語」を
学ぶ
側に
伝えていくわけであるが、そこには、
先生と
生徒という
明確な
区分けよりも、むしろ、
教える
側が
学ぶそばから
教える
側に
問いかけることによって
両者が
新しい
発見と
自分自身の
変化に
気づいていくという、
新しい
関係の
発生が
大きく
期待されている。12
月から1
月にかけての
県内の
各新聞社のご
協力による
記事を
見て、
約50
名ものボランティアが「
教えたい」と
応募してくれているのも、オアシスの
新しい
方向性を
示されるように
感じられる。
けれども、
今までがそうであったように「ともかく
始めてみよう」
式でやったきたオアシスにとって、この「
日本語寄り
合い
教室」も
万事が
順調にゆくとは
思えない。
様々なトラブルがあり、あるいは
存続が
危ぶまれていくような
事態も
起こりうるであろう。しかし、オアシスの
正式名称「
山梨外国人人権ネットワーク」が
表しているようにこの「
日本語寄り
合い
教室」が、
特にそこに
応募してきてくれている「
普通の」ボランティアの
方々が、このネットワークを
大きく
広げ、
外国人であろうと
日本人であろうと
住むに
住みよい
山梨、また
日本、を
創りだす
動きが、
徐々に
動き
出していることを
今感じている。
外国人向け日本語教室・人権ネット・来月開設へ
山日新聞・1996年1月25日
編集後記
外国人フォーラムからはや1年近く、やっと報告ができました。申し訳ありません。次号は総会には発行したいと思っていますが、やはり無理でしょうか?!(A)
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